[はじまり]
本作のサウンドトラックは、ソフィアから映画の雰囲気作りを手助けする音楽をいくつかピックアップしてほしいと依頼されたことからスタートした。彼女は『ヴァージン・スーサイズ』の時と同様、脚本を書いている段階で音楽の要素を取り入れたがっていた。それで、ソフィアに何曲かの音源を渡したんだ。(ドラマーとして)レッド・クロスやエールなどとツアーしていた僕は、何度か東京に滞在していた。この時、僕の頭の中で流れていたのはまるで空気のようなドリーム・ポップ(コクトー・ツインズ、マイ・ブラッディ・ヴァレンタイン、ラッシュなど)と初期のシンセ・ポップ(ニュー・オーダーなど)それに、ブライアン・イーノ、スクエアプッシャーのような音楽がブレンドされたものだった。これらの要素を取り入れこのサントラにいかしたかった。ソフィアの書いたストーリーが固まってくるに従い、この路線が映画にフィットしているとより強く確信した。
[ケヴィン・シールズ]
2001年の夏はフェスティヴァルで日本にいた。偶然にも僕らの楽屋がプライマル・スクリームの隣りで、プライマルでギターを弾いていたケヴィン・シールズに出会った。すぐに意気投合して「いつか一緒に映画音楽を手がけるのはどうか?」と話したら、彼は興味がある様子だった。その8ヶ月後、僕は彼に電話をして、この映画の話をしてみた。そこで、彼が『ヴァージン・スーサイズ』のファンだった事が判明。それで、僕らはロンドンの彼のスタジオで作業を始める事にしたんだ。これは宿命だったのかもしれない。
[日本の音楽]
エールとツアーをしていた時に日本の素晴らしいアーティスト、コーネリアスといくつかのショーをやった。その時はすでにサントラの作業に入っていたから、(小山田)圭吾と(大橋)伸行にこのサントラにピッタリの日本の音楽を教えてほしいと依頼したんだ。圭吾は僕にいくつか音源をくれて、その中から僕が何曲かピックアップしてソフィアに送った。僕もソフィアも“はっぴいえんど”の「風をあつめて」をとても気に入った。メロディは頭からはなれないほど素晴らしいし、サウンドも本当に美しい。言葉の壁を超えて訴えかける、普遍的な音楽だと思った。伸之が訳してくれた歌詞を読んで更にその素晴らしさに心打たれたんだ。
